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2014年10月06日

スターバックスの短期最適は、中長期不適だった


スターバックスは大好きで
頻繁に利用している。


廉価なコーヒーが飲める店は
他にもたくさんあるが、
スタバはそれらとは一線を画している。


あの価格で本格的なコーヒーを
出せるというのはとても素晴らしいし、


廉価コーヒー店にありがちな
鳥の止まり木のようなイスでもない。


しかしそのスタバにもピンチはあったようだ。


もう6~7年前になるが、
急速に事業を拡大し店舗数を
増やしたことがあった。


当時、売上は伸びているものの
利益は半減していて、
経営陣としては抜本的な対策を迫られていた。


そして多くの企業がやるような
「利益悪化の処方箋は合理化」に
とびついてしまった。


むろん経営にとって
コストカット、経営合理化はきわめて重要であるし、
短期的には業績回復に最も効果がある。


しかし、スタバの場合、これは裏目に出た。


短期的な業績回復と引き換えに
固定的なスタバファンの多くを失った。


店は狭く猥雑になり、
コーヒー豆が店挽きでなくなったため
コーヒーの味は落ちた。


よせばいいのにサンドウィッチなどを
出したためコーヒーの香りも消えた。


さらにひどかったのは従業員の質の低下だ。


店舗数の急拡大により店員が不足し、
ろくな研修や教育も受けていない店員が
各店に配置された。


これら一連の施策は、
確かにスターバックスにとっては
合理的、効率的だったろう。


だが、スタバのお客にとっては
不都合だった。


かくてお客は離れていき、
一時的に回復した業績はさらに
悪化していくことになる。


さすがに危機感をあらわにしたスタバは、
創業者をCEOとして呼び戻し、


なぜお客から見放されたか、
何がダメだったのかを考えた。


その結果、減点復帰=お客はスタバに
何を求めていたのか を思い出した。


不採算店を閉鎖するだけでなく、
美味しいコーヒーを淹れるために
店員の研修、設備の改善、店舗の見直し
出来ることにすべて手を打った。


その結果、再びお客は回帰し始め、
今は以前の姿を取り戻してきた。


企業でも個人でも調子が悪い時ほど
合理化、効率化に走ろうとする。


だが往々にして短期的に正しいことが
中長期的には間違いであることはあるのだ。


スタバの場合、一時的に「なぜ」顧客は
スタバを選んでくれていたのかを忘れ
自分目線になってしまっていたのだ。


企業は投資家や従業員のものでもあるが、
お客様のものでもあることを忘れてはならない。


ソニーの不振についても
ここに答えがあることは疑いない。




  • Posted by グッドリスナー at 23:55│Comments(0)
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