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2015年02月11日

労働生産性向上の美名の下、仕事の中身がハードになっても処遇が変わらない人たち


一般的に企業には総合職、一般職
という区分があることが多いが、
その違いとはいったい何だろうか。


まず、転勤があるとか無いとかの他に
待遇面で歴然とした差がある。


一般職には昇進昇格が無く、
あっても極めてゆっくりで
管理職などに就くこともない。


一方総合職は順調に昇進すれば
給与も増え、幹部になれることもある。


しかし、総合職と一般職の
職務内容の相違はどんどん小さくなり、
今はあまり見出せなくなっている。


かつてののどかな時代の企業には、
一般職の女性が「お茶くみ」とよばれる
始業時に社員にお茶を配る習慣があったが
今はそんな仕事も絶滅した。


労働生産性向上の美名のもと、
かつて総合職がやっていた仕事を
一般職の人がやるようになった。


そして一般職がやっていた仕事は
派遣社員やパート社員が担うことになった。


労働生産性を高めたと言えば聞こえは良いが、
それに見合う賃金や待遇の改善は無いのだから
雇用側にいいようにやられているとも言える。


特にパート社員においては
かつて総合職や一般職正社員が
やっていた仕事をやるようになっても
待遇の改善は微々たるものであることが多い。


へたに一所懸命やって時間内に
たくさんの仕事をこなそうものなら
次にはその実績がベースとなって
さらに仕事の量を増やされてしまう。


竹中元大臣など
「正社員というくくりこそ無くせばいい」
と相変わらず暴論を吐いているが、


このような実態のもとで
バカげた規制緩和をすれば
雇用側の思うつぼである。


自分が思うに企業も長い目で見た
「無用の用」を考えるべき時だ。


雇用側の勘違い、あるいは誤魔化しは
「働く者は誰もが経験値を高め
スキルアップしたいはずだ」
「たくさん働いてたくさんの報酬を得たいはずだ」
と思っていることだ。


スキルアップさせてあげるからという名目で
どんどんムダな時間を省いて
ぎっちり仕事を詰め込もうとする。


しかし世の中誰もがそう思っているわけではなく、
仕事量も増やさず、難易度を上げてもらわず
同じペースで働ければよいという人もいるのだ。

どうしてもたくさん働かせたいのなら、
待遇面でもそれを反映させるべきだが
実際にはそうならない。


そんなムダは今の厳しい時代許されない
との意見もあろうがそうは思わない。


だが人は機械ではない。


時にはゆっくりのんびりした仕事もあって
バランスが取れ、仕事も長続きするのである。


回転率の悪い商品を棚から無くし、
売れ筋だけを置いた大手量販店が衰退したように
「無用の用」を持てない企業の
末路もまた同じであろう。




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    Posted by グッドリスナー at 17:00│Comments(0)働き方
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