たまりば

多摩のコミュニティビジネス 多摩のコミュニティビジネス多摩市 多摩市

2014年09月21日

長い休暇の取れる労働環境は素晴らしいか?


欧米先進国では、
日本よりも長い休暇を取りやすい
とはよく言われることだ。


世界最大のオンライン旅行会社の
調査によると、日本の年平均休暇取得日数は7日、


有給休暇消化率は39%で、
調査した24か国中て最低。


しかも消化率は6年連続して
ワーストワンだった。


ちなみに消化率ナンバーワンは、
フランスとブラジルで年30日の休暇を
100%取得している。


たしかに社会人になって働き始めた時、
最も学生との違いを実感するのも
休暇の少なさ、連続して休むことの
難しさである。


だから卒業旅行などの長期旅行を
学生時代の最後にやる人も多いのだろう。


だが、この手の統計、よくよく見ないと
実態とは異なっていることもある。


日本の場合、非常に国民の祝日が多いのと
有給休暇とは別に盆休み、正月休みがある。


また有給休暇の取得率が低いのは、
文化や伝統的な労働観への違いも大きいので、
単純比較は誤解を招く。


自分も長年会社員をやってきて
よく理解できるのだが、


なかなか休暇がとりにくいのは、
上司や職場の圧力、評価に対する懸念よりも


同僚に迷惑をかけたくない、
お客様に迷惑をかけて愛想を尽かされたくない
という気持ちが強いことが理由だった。


それと日本の職場では、
ワークシェアリングがあまり浸透していないので、
休暇明けに溜まった仕事の洪水に直面したくない
ということもあると思う。


年次有給休暇の取得率が低く、
長期休暇を制度として設けても
あまり利用する人がいないというのも


上記のような環境があり、
人との和を重んじる日本文化が
あることは疑いない。


このことは、裏を返せば
日本人の働き方の美点でもある。


仕事が山積みでも権利だからとして
平然と休暇を取り、


同僚に仕事を押し付け、
得意先に迷惑をかけても
平気で長期休暇を取るという文化がない
というのは卑下することではないはずだ。


ただ、だからといって年中無休で働き、
権利を放棄してでも社畜として会社に尽くすのが、
よいといっているわけではない。


自分は、日本人の働き方、
休暇の取り方で問題だと思うのは、


ほんとうに取るべき時に休暇を取らない、
取るべき時が分からないことだと思っている。


以前の会社の同僚を見ていても
十分職場にも客先にも迷惑をかけないで
休めるタイミングなのに休暇を取らない人がいる。


仕事の節目などで長い休暇を取れる時でも
休まず、それを美徳としている人がいる。


それは決して好ましいことではない。


権利を行使しないというのは、
同じ重さの義務を履行していないのと
同じことであると考える。


休めるのに休まないのは、
働き者なのではなく、
義務を果たさない不届き者とさえいえる。


また忙しくても休暇を取れるように
平素から準備し、段取りを行い、


短期的には自分が不在でも困らないようにする
というのも能力の一つだと思う。


だいたい今の時代、どこに居ても
連絡は取れるしデータも読めるので、


その気になればリアルに会わなければならない
用件以外は不在で困ることはない。


現に1カ月以上の長期休暇を取るドイツ人も
みなパソコンを持っていくらしい。


長い休暇が取れる労働環境それ自体に
価値があるのではなく、


文化や伝統的な労働観を尊重しつつ
権利でもあり義務でもある休暇を
誰もが取れる労働環境こそが理想なのだと思う。




  • Posted by グッドリスナー at 12:00│Comments(0)
    上の画像に書かれている文字を入力して下さい
     
    <ご注意>
    書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
    削除
    長い休暇の取れる労働環境は素晴らしいか?
      コメント(0)