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2015年01月18日

意外と研究されていない老人にとっての居心地の良さ


昨日起業関係者の集まりがあり、
そこで最年長のМさんがとても興味深い
ことを仰っていた。


Мさんは今年85歳になるが、
たんにその年齢で起業をしようという
元気な老人というだけでなく、
独特の人生観を持たれていて、
聞く人の心を打つ。


Мさんいわく、
高齢化社会といいながら、
現代社会の福祉政策は、
老人のことを本当に理解しているとは
言い難いのだという。


高齢者福祉の根底には、
老人とは心身が衰えた、保護すべき人々
という固定観念があり、


居心地の良い場所(居場所)をつくる
と言いながら、
実態は老人のことを理解していないため
全くそうはなっていないのだとか。


Мさんに言わせると
元気な老人は旅行や催し事に参加したり、
サークルで何かにトライしたりしても
そこが自分の居場所とは感じないのだそうだ。


ではどんな時に自分の居場所と
実感できるかというと、
それは
「自分が必要とされていると
実感できた時」

なのだそうである。


例えばモノづくりなど工芸をする
イベントやサークルがあったとして、


そこで何かを作る喜びよりも
それを誰かが買ってくれた時、
買った人が喜んでくれた時
最も喜びを感じ、自分の居場所として
実感できるのだという。


人は自分の中で完結することに対しては
さほど意義を感じないが、


他者に対し影響を与えること、
それが役に立つとか喜んでもらえる
というようなプラスの影響がある時、
大きな意義を感じるものである。


高齢者福祉にはその視点が
脱落しているので、
それをМさんは言っている。


かつての農村の大家族の老人は、
老人ではあっても大切な役目があり、
周囲から尊敬されていた。


そんな老人にとってそこはどれほど
居心地の良い場所であったろう。


ところで、
この「自分が必要とされている」
という実感が人には必要というのは、


高齢者だけでなく、
どの年代や性別、職業の人にも
あてはまることではないか。


逆に人は「自分なんか誰からも
必要とされていない」と思った時に
絶望するものである。


Мさんいわく、高齢になると
心身は5年ごとに確実に衰えていき、
それを実感できるが、
好奇心だけは全く衰えないのだとか。


Мさんの話を聞いていて
むべなるかなと思ったものである。




  • Posted by グッドリスナー at 17:00│Comments(0)居心地の良さ
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