プロフィールプロデューサーの独り言

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会話やプレゼンでは、
相手目線になれとは
よく言われる。


だがこれは、本当は難しい。


人というのは、基本的に
自分が考えていることは
他人も同じように考えているはず
という思い込みがある。


経験上話し下手の人ほど
その傾向が強く、


前提を省いたり、
話が飛躍するから
よけいに分かりづらい。


話し手は自分の考え方は
一般的であって、
みんなも受け入れてくれるはずと
根拠なく思っている。


だが実際は、
人はみな違うのである。


同じものを見ても聞いても
読んでも、思うことはみな違う。


ポイントは、人はみな違うのだから
分かってくれなくて当然と
受け入れてしまうことだ。


そう思わないと
話すことが怖くなり、
何も話せなくなってしまう。


不思議なもので
聞き手は基本的に自分と
同じではないと思って話すと


聞き手に分かりやすく
話そうと考えるようになり、
かえって理解は得られるものだ、


人はみな受け取り方が違うという
事実を受け入れることは、
人の話を聞く時の受け方に
対しても有効である。


話す内容に聞き手も同じ考えで
いるに違いないと思い込んで
話ししている相手に対しては、
適度に相づちを打ち、
話したいだけ話させる。


そうしているうちに
相手もしだいにそのズレに
気づいてくる。


ズレに気づけば
相手に理解しやすいように
話すようになる。


聞くことには忍耐が必要で
話すよりもエネルギーを消費するが、
コミュニケーションとは
基本的に相手の話を聞くことである。



  

デジタル版の新聞投稿で
気になる投稿を見つけた。


投稿した人は３０歳の女性で
フィアンセと婚約し、
入籍日まで決めていたのに
事情があってその日が過ぎても
入籍を伸ばされていて、
もしかすると婚約破棄になるかも
しれないと心配している。


その事情というのは、
あまりにも家事ができない
決まりごとが守れない
というものだ。


本人は実家で親に全部やって
もらっていたので家事が苦手で
自分の努力不足と思っているようだが、


投稿内容の詳細を見ると
大人の発達障害である可能性が
高い。


大人の発達障害の厄介なところは、
自分自身も気づかず、


周囲の人も外見や知能が正常
なだけに、全く理解できない
でいることだ。


なので、この投稿に対するレスも
「本人の努力不足」とか
「慣れればそのうち出来るようになる」
「誰だって初めは出来ない」などと
見当違いのアドバイスばかり。


そうではないのだ。
これは特徴とか個性であって、
本人の努力の問題じゃないのだ。


ピアノがうまく弾けるように
ならない人に向かって、
「あなたの努力が足りない」
というのが酷であるように


このような人に対して
もっと努力しなさい
といっても難しいのである。


当の彼女は未入籍のまま
すでにお子さんもいらっしゃるようで
実家の父親からは
「婚約破棄なら帰ってくるな」
とまで言われているそうな。


人というのはよく出来ていて、
何かが足りないと、
必ずそれを補って別の機能が
発達する。


自分にがっかりして、自分を責める
ことが一番まずい。


こんな人にこそ、
自分の特徴をよく把握して
人にまさる部分を発見して
伸ばしてほしいと思っている。


余談だが、この分野には
少ないながらも専門医もいるので、
相談してみる手もある。