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2014年12月06日

新事業開発推進者に必要な視点とは?


新事業の開発を担当した時、
多くの人が経験することに
決定権者に対し「市場性、将来性をどう説明するか」
ということがある。


企業経営は遊びではないから、
意思決定に合理的な根拠が必要になる。


新事業に対しても、社会的背景や競合、
市場性がどのような状況にあるかは
当然重要な意思決定の判断材料になる。


だが新事業の場合、
テーマが新規であればあるほど
これらの合理的な調査報告が困難になる。


まだ世の中の誰もが知らず、
当然競合も市場も存在しない段階で
その将来を合理的な根拠をもって説明するのは
至難の業である。


あまりにも有名な話だが、
ベルが電話を発明し、売り込みに出た時、
多くの企業で
「そんなもの市場が無いし、売れるわけがない」
と一笑に付され、相手にされなかった。



だが、その後の歴史を知っている
今日の我々から見れば、
そのベルを一笑に付した連中は、
先を見る目が無かったと思うばかりである。


そもそも既に市場があるのなら
それは新事業ではない。


いや自社にとっては新事業だ
というかもしれないが、
他が既にやっていて市場もあるのなら
それは正しくは別事業である。


呼称などはどうでもよいが、
新規性の著しく高い新事業の場合、
決定権者や出資者を説得するための報告は
どうしたらよいのか?


この設問への答は非常に難しいことだが、
誰も手をつけていなくて
市場が成立していないという
その理由は何なのかということから
考察する必要がある。


そもそも「やる価値がない」から
ということがある。


スモール起業の塾などでは、
自分のビジネステーマがネットなどで
調べて競合が一人も居なかったら
そのテーマはやらない方がいいと教えられる。


世の中にそうそう新しいアイデアや
ビジネスなどはなく、
誰もやっていないのはそれなりの理由があるから
だという考え方である。


この考え方は概ね正しいが、
「その状況が不変ではない」
「現時点では」であるということは
常に考えておかなくてはならない。


今は価値が無いから誰もやっていないが、
ある条件設定が変わればそうでなくなる
ということは世の中にいくらでもある。


可能性というのは現在だけを物差しに
考えるべきではない。


条件設定とは、
科学的なイノベーションだけではなく、
社会情勢や経済状況、ライフスタイル、
災害の発生等々様々な要素がある。


例えば2020年の東京オリンピック招致決定で
湾岸エリアへの投資が活発化することは
いまや誰も否定しないだろうが、


その可能性を招致決定以前に
新事業として検討要素に盛り込めていたか
というような類のことである。


つまり、あてずっぽうの未来学ではなく、
中長期的視野に立って、環境の変化を
かぎ取るセンスがあるかどうかが問われるのだ。


新事業の市場性の判断、予測は、
もし現時点のバックボーンが変化した場合に
どうなるかという視点が必須である。


こうしたことを定量で示すことは難しいが、
バックボーンの変化は必ず先行して
統計数値などに表れているものである。


もし現時点の条件設定が変化すると
ブレークする可能性が高いとなれば、


現段階で市場が無く、
競合者もいない状況は
むしろ参入のチャンスとも言えるわけである。




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    Posted by グッドリスナー at 17:00│Comments(0)新事業
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