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2014年10月29日

能面の表情の不思議さとコミュニケーション


「能面のような」という表現がある。


これは無表情なという意味で
よく使われる言葉だが、
能面は実は無表情なのではない。


能面というのは実に不思議で、
見る時の状況によって
実に様々な表情に見える。


喜怒哀楽だけでなく、
「驚き」や「恐怖」などの表情も
持ち合わせている。


これは能の演じ手がそう見せている
というだけではなくて、


実際に能面に巧妙な工夫が
施されていることによる。


能面、とくに女面は、
上下方向に傾けると異なる感情を
表すことが出来るように作られている。


能面を上方向に傾ける動作は、
「面をテラス」といって、
その人物の喜びや微笑みを表現する。


そして、能面を下に傾ける動作は、
「面をクモラス」といって、
その人物の悲しみや泣き顔を表現する。


これは、面の下まぶたの切り込みが
直線的な一方で、上まぶたは山形に
切り込まれていることによる。


面の額が広く、
口が受け口になっているため、
能面を上下に傾けた場合に
表情が変化するのだ。


コンピュータの画像処理で、
同じ顔から「喜び」「怒り」「悲しみ」
「驚き」などの表情をつくり、


すべての画像を一枚に合成すると、
なんと能面の表情と酷似した顔に
なるという。


ところで、この話を聞いていて
思ったことがある。


たしかに能面は巧妙に作られている
のかもしれないが、


能面自体は伸縮も変化もしない
ただの固い板でできている。


それをいろいろな表情として
人が受け取ることができるのは、


能面によって、人が心にスイッチを
入れられているからではないのか
ということだ。


インターネットの最大の弱点は、
コミュニケーション時に情動情報が欠落
してしまうことにあると云われる。


しかし能面のように固定的なデフォルトであっても、
人の心のスイッチを入れられるものならば、


電子的なコミュニケーションでも
そのようなこと=情動情報を伝えること
が出来る日もくるかもしれない。




  • Posted by グッドリスナー at 23:55│Comments(0)
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