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Posted by たまりば運営事務局 at

2014年10月30日

ホンダのリコール連発に見る協業や外注の難しさ


「難しさ」シリーズの続編。


ホンダの「フィット」がリコールを
連発していることは周知の通り。


様々な理由が背景として
存在するようだが、


報道を要約すると
新システムのハイブリッド車であることと、
その開発・生産の仕組みに
問題があるようだ。


トヨタに対抗するために採用した
高効率ギアボックスのDCTが
外国サプライヤーの技術であること、


それに開発作業が系列とはいえ
本田技研工業と本田技術研究所の別会社
であることが大きな要因らしい。


一つの製品を世に出す場合、
すべて内製であれば意志疎通も確実で
間違いは少ないが、


複雑で高度な技術の結晶である
ハイブリッド車ではなかなかそうも
言っていられなかったようだ。


経験上からもいえるが、
他社技術との組み合わせや、
他社との協業で新製品を出すというのは
極めてハードルが高い。


開発には多くの技術者が必要で、
しかも「阿吽の呼吸」が求められる。


さらに開発と製造というタスクも到達点も
異なる部門の密接な連携が必要になる。


今どき品質管理部門は
どこの会社も強化しているが、


それは製品化されたものに対する
品質管理であって、
開発段階に対する品質管理ではない。


それでも内製で開発と製造が
一貫作業ならアラも見つけやすいが、
今回のホンダはそうではない。


会社が異なると理念も目標も
風土文化も異なる。


今回の苦境をホンダがどう乗り越えるか、
応援するつもりで見守っていきたい。



  

  • Posted by グッドリスナー at 23:55Comments(0)

    2014年10月30日

    NHK朝ドラ「マッサン」に見る新事業の難しさ


    長いことNHKの朝ドラを見ていなかったのだが、
    今やっている「マッサン」は見ている。


    ニッカウヰスキーの創業者、
    竹鶴政孝(マッサン)をモデルにしたドラマで、


    ウヰスキー醸造の勉強で留学中に
    知り合ったスコットランド人の妻エリーとの
    ラブストーリーコメディである。


    久しぶりに見る気になったのは、
    ヒロインが外国人女性という新鮮さと


    当時まだ全く普及していなかった
    ウヰスキーというフロンティア事業に
    取組む実話を基にした話だからである。


    エリー役のシャーロット・ケイト・フォックスの可憐さと
    典型的技術者タイプながら真っ直ぐで剽軽な
    マッサン役玉山鉄二のコンビは絶妙だ。


    ドラマはまだ始まったばかりで現在進行形だが、
    ちょうど今、とても他人事と思えないパートに
    さしかかっている。


    それは莫大な資金と時間のかかる
    ウヰスキー事業の事業化承認を
    受けるくだりである。


    マッサンのことがとにかく嫌いな
    専務という社内の反対勢力、


    好人物でマッサンの味方だが、
    婿養子でオーナーでもなく実権のない
    西川きよし扮する酒造会社社長、


    数字のことはわかっても
    事業のことなどからきしわかっていない
    銀行や出資者たち。


    10/29の放送では、マッサンが
    そんな人たちの前(株主総会)でプレゼンを行い、
    ウヰスキー事業の事業承認を得ようとする。


    だが、大正時代中頃の当時、
    ウヰスキーなど飲んだことも無く、
    当然事業の将来性など皆目わからない人たちを
    説得するのは至難のことだった。


    窮余の一策として、スコットランドから
    持ち帰ったスコッチウイスキーを
    株主たちに振舞うが、


    初めての味にむせ込んだり、
    株主たちは戸惑うばかり。


    さて、この大ピンチをどう乗り超えるのか
    これからのドラマの展開が楽しみである。


    しかし、このドラマを見ていて
    つくづく感じたことは、


    100年近く昔のことなのに
    新事業に対する決済者たちの反対や戸惑い、


    不審を感じる心理は
    現代と少しも変わっていないなあ
    ということである。


    自分は会社員としてのキャリアの後半を
    ほぼ新事業だけに費やしてきたが、


    今も新事業の船出というのは
    マッサンの頃と大差がない。


    せいぜいパワーポイントの資料に
    もっともらしい数字やグラフが
    加わった程度である。


    新事業を立ち上げる場合、
    実は合議制の場で承認を受ける
    ということが最も難しい。


    およそ事業の新規性が高ければ高いほど
    聴衆(株主や出資者、あるいは社内の役員)に
    説明をしても賛同を得られる可能性はとても低い。


    経験上からもいえることだが、
    新事業は元々成功確率がとても低い。
    つまり、ギャンブル性は否定できない。


    さらに聴衆に対して説得性のある
    データ(市場見込など)を集めることが、
    そもそも困難である。


    はしめから売れるとわかっているのなら
    その時点で既に新事業ではないわけで、


    新事業にトライする度に常に
    この矛盾と対峙しなければならない。


    世の多くの新事業が、
    絶対権力を持ったオーナー経営者や
    ベンチャー創業者の手になることであるのは
    ある意味当然なのである。


    さて、この後ドラマはどんな展開を見せるのか、
    自分のキャリアと重ね合わせて
    見たくなるのも仕方がない。



      

  • Posted by グッドリスナー at 12:00Comments(0)