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Posted by たまりば運営事務局 at

2014年03月31日

雇用延長と会社人間 仕事をするということの意味とは?


昨日の日経電子版に尾崎健一さんが
「会社一筋、燃え尽きに注意 ドラッカーが指摘」
という興味深い記事を書かれていた。


年金支給年齢の引き上げの代替対策として
法律が変わり、
現在企業には65歳までの雇用が義務化
されている。


企業は60歳を定年と定めていても、
特段の事情がないかぎり
65歳まで雇用を延長しなくてはならない。


しかし、そのことが会社にとっても
再雇用で雇用される本人にとっても
様々な問題を生み出しているという。


かのドラッカーは、もう60年も前に刊行した
「現代の経営」という本で
「いまや会社は、社員を会社人間にしておくことが
本人のためにも会社のためにも危険であり、
いつまでも乳離れできなくさせる恐れのあることを
認識すべきである」と述べていたそうだ。


自分が定年を迎えた時、
雇用延長を選択しなかった理由の一つは、
このことであり、よく理解できる。


高齢社員は、
その年齢まで会社に尽くしてきた
という自負とプライドがあり、
まだまだ自分の働き場所はある
と思っている。


しかし、一方で若手の現役社員から見れば
扱いにくさや遠慮もあるし、
体力的な問題もあるので
正直疎ましくもある。


結果、自分よりはるかに若い部下や
同僚から次第に煙たがられる。


仕事オンリーで来た人ほど
「組織だけが人生となり、
組織にしがみつく」傾向が強い。


そしてやる気のある人ほど
仕事というものが無い、
「空虚な世界へ移るという恐ろしい退職の日を
延ばすため、若い人の成長の妨げになってでも
自らを不可欠な存在にしようとする。」


一方で、責任のない仕事で気楽でいい
と思っていたような人でも
職場での自身の存在価値を見失い、
精神的に不安定になっていったりする。


こんなことは当たり前のように
身の回りで起きていることだが、
本人にとっても辛いし、
会社や職場にとっても
マイナスでしかない。


雇用延長で職場に残る人は、
よく「お金には困らないけど
ブラブラしていても仕方ないからね」
という。


しかし、事の本質は、
仕事を失うことによって、
自分の居場所が無くなってしまう
ことを恐れているのだ。


ドラッカーは、同じ著書で
「仕事を失うことが人を傷つけるのは、
金銭でなく誇りのためである。
仕事とは人格の延長である」
とも書いている。
至言だと思う。


さて、それでは趣味やボランティア、
勉強や資格取得といったことで、
仕事に代わる誇りを得られるかといえば、
自分としては疑問に思っている。


仕事を辞めたら
ゴルフ三昧や毎日釣りができる、
とか、
ボランティア活動で貢献したい
とはよく言われることだ。


だが、本当にそれらで満足できるのだろうか?
仕事をすることによって
得られていた「誇り」が保てるのだろうか?


もちろんそれで満足する人もいるだろうし、
それはそれでいいと思う。


だが自分は、
本当に自分の人生に誇りを持てることとは、
仕事を通じて世の中に貢献していると感じられる時
であると思っている。


会社や組織にしがみついて
仕事の誇りを維持する(それすら所詮65歳までだが)
のではなく、


たとえ小さくても自分の強みを
役立てることのできる「仕事」を通じて
誇りを保ちたい。
そう強く思っている。



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  • Posted by グッドリスナー at 11:00Comments(0)